あれから5年

2009年(平成21年)11月21日、一つの社会人野球チームが約半世紀の歴史に幕を下ろした。
日産自動車硬式野球部
都市対抗野球優勝2回、社会人野球日本選手権優勝1回の実績を持つ名門野球部だが、折からのリーマンショック以降の経営改善のため、企業スポーツ活動(本社野球部、九州野球部、卓球部、陸上競技部)の休止という苦渋の決断をせざるを得なくなったのである。
私にとって、これほど悲しい出来事はなかった。それは、高校時代の部活動の先輩が日産の応援団でトランペットを吹いていたこともあり、日産野球部は私と社会人野球を結び付けてくれたチームだったからだ。日産野球部と出会っていなかったら、今の自分はないと言っても過言ではない。
最後の試合となった日本選手権準決勝の対JR九州戦は、延長戦にもつれ込んだ末タイ・ブレークで敗れた。試合が終わった瞬間はテレビの前で呆然としていたことを覚えている。
そして私の心は、あれから5年経った今もぽっかりと大きな穴が空いたままである。
いつの日か、日産野球部が再び東京ドームに姿を現してくれることを願うばかりだ。