また王国から一つ、魅力的なチームが…。

帰宅後、いつものようにアンテナチェックをしていたら、信じられないニュースの表示に思わず「えっ!ウソだろう!?」と口にしてしまっていました…。
日産が野球部など休部 経営合理化の一環(Sponichi Annex)

多くのプロ野球選手や卓球の五輪代表を輩出した日産自動車は9日、経営合理化の一環として硬式野球部、卓球部(男子)、陸上部を休部すると発表した。硬式野球部は12月末まで、卓球部と陸上部は3月末まで活動する。

 硬式野球部都市対抗大会で1984年と98年に優勝し、2003年の日本選手権も制した。06年セ・リーグ新人王に輝いた広島の梵英心内野手阪神などで活躍した元投手の川尻哲郎氏らが在籍した。

 女子が94年に休部した卓球部は、男子が日本リーグで最多の19度の優勝を誇り、1月の全日本選手権を最後に現役引退した五輪4大会代表の松下浩二氏や全日本男子シングルス通算100勝の斎藤清(埼玉工大職)らがかつて所属した。

 硬式野球部と卓球部はともに59年の創部で、50周年の節目に幕を閉じる。
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思えば自分と社会人野球の本格的な出会いは、高校生だった時、既に卒業されていた吹奏楽部の先輩が日産自動車の応援に参加していることを知ってからでした。
その時から日産野球部を応援するようになり、「GRAND SLAM」(小学館)を購入するようになり、“ミスター社会人野球”西郷泰之さん(三菱ふそう川崎→ホンダ)や坂本保さん(ホンダ熊本→ホンダ)といったベテラン選手の巧みな勝負術に魅せられ、ついにはその会社の社員でも地元の市民でもないのに、都市対抗野球でホンダや新日本石油ENEOSといった強豪チームの応援席に入って(もちろん日産の応援席にも入りました)、団扇を叩いて応援歌を歌ったりという生活を送るようになり、今に至っているわけです。
2003年11月、日産は3度目の決勝進出で初めて日本選手権を制覇するのですが、この年、2年目だった小澤裕昭さんが8月の練習中に倒れ、24歳という若さで急逝。そんな悲しみを乗り越えての初優勝に、テレビの前の自分も胸に熱いものを感じました。
そんな思い入れの強いチームの突然の休部。今まで考えたことも無かった突然の一報に、ただただ唖然とするしかありません…。
幸いなことに、九州チーム(福岡県苅田町)に関しては今のところ何も言われていないのでしばらくは大丈夫だろうとは思いますが、油断は出来ません。もうこのまま二度と、横浜スタジアムや東京ドームで“日産自動車社歌”(去年やっとまともに歌えるようになった)や、昔の日産のCMで有名な“世界の恋人”を歌えなくなってしまうのでしょうか…?伊藤祐樹さん(ある方から頂いた伊藤さんのサインは自分の宝物です)や、吉浦貴志さん(アマチュア日本代表に何度も選ばれている、社会人野球を代表する好打者)のプレーを見ることはもう出来ないのでしょうか…。
去年は三菱ふそう川崎、今年は日産、2002年にはいすゞ自動車もこの年の都市対抗を制しながら休部に追い込まれるなど、“王国”として君臨してきた神奈川県の社会人野球は、今最大のピンチを迎えていると言っても過言ではない。何で…何でこんな世の中になってしまったんだ…。書いていて涙が出そうです…。


追記:毎日新聞の報道によると、九州チームも今年でアウトだそうです。九州チームは1985年に創部。後にオリックスなどで活躍した金田政彦さんや、99年にパ・リーグのホールド王に輝きながら、翌年病に倒れてこの世を去った故藤井将雄さん(元福岡ダイエー)らを輩出している。