トシ坊の注目チーム2010〜大学野球編〜総括編

4月に書いた記事の決算編となります。
富士大学-Fuji UNIV-(北東北大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成22年度北東北大学野球春季一部リーグ2位
平成22年度北東北大学野球秋季一部リーグ4位
昨年の大学選手権での活躍でさらなる飛躍が期待された今季だったが、春はエース・中村(4年、立正大淞南広島東洋入団)の健闘も及ばず2位。秋はその中村が防御率1.40をマークし防御率3位に入ったものの1勝に終わり、さらに二枚看板の一人として期待された佐藤(智。4年、男鹿工)の故障離脱もあってBクラスに転落。期待された結果を出すことが出来なかった。攻撃陣はまずまずだっただけに悔やまれる。
ちなみに、昨年の選手権でもプレーした私の後輩だがどうやら社会人でもプレーを続けるようである。東京ドームでお待ちしております…。


上武大学-Jobu UNIV-(関甲新学生野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成22年度関甲新学生野球春季一部リーグ2位
平成22年度関甲新学生野球秋季一部リーグ優勝
第6回関東地区大学野球選手権大会2回戦
昨秋の神宮大会準優勝という結果を受けて挑んだ今シーズンだったが、全国の舞台は遠かった。春は最後の最後まで首位に立ちながら優勝をかけた最後の白鴎大戦を1勝2敗で落としV逸。雪辱を期した秋は成田(4年、東海大相模)の打棒が炸裂、市川(4年、浦和学院JR東日本東北入部予定)、赤羽(3年、創造学園大付)の2人を軸とする投手陣も安定感を発揮してV奪回を果たすも、神宮大会出場を賭けた関東選手権で神奈川大に敗れ全国の舞台を逃した。この雪辱は来季に晴らせるか。日本一を狙える力は充分ある。


明治大学-Meiji UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成22年度東京六大学野球春季リーグ3位
平成22年度東京六大学野球秋季リーグ4位
創部100周年を優勝で飾りたかった明治だったが、春、秋ともに勝負どころでの弱さを露呈した格好となった。
春は開幕から東京大、早稲田大に4連勝し連覇の期待が膨らんだが、立教戦を連敗で落とすと、続く慶應戦も初戦を9回逆転負けで落としたのが響いて勝点を落とし優勝争いから脱落。秋は2カード目の早稲田戦を連敗で落とすと、生き残りをかけた慶應戦も先勝しながら続く2、3回戦を落として優勝を逃した。
来年は学校創立130周年の節目を迎えるだけに、是が非でも優勝と日本一を勝ち取りたいところ。投手陣の経験値は6校中№1なだけに、エース・野村(3年、広陵)に次ぐ投手の奮起、特に下級生の頃から神宮のマウンドを踏んでいる難波(春日部共栄)、森田(大垣日大)、隈部(熊本工)の4年生3人の活躍は急務だ。


慶應義塾大学-Keio UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成22年度東京六大学野球春季リーグ優勝
第59回全日本大学野球選手権大会ベスト4
平成22年度東京六大学野球秋季リーグ準優勝
OBで元プロの江藤省三氏を新監督に迎えた春季リーグ戦、東京大との開幕戦で新エースと期待された竹内(大。2年、中京大中京)がリーグ戦通算2試合目の登板で初勝利をいきなり無安打無得点で飾る。これが歴史に残る1年の始まりを告げる序曲だった。その後法政から勝点をとったものの、立教に勝点を落とし、勝点を落とせば優勝争いから脱落という明治1回戦を土壇場の逆転劇で取り、連勝で勝点を取ると、史上9度目となる優勝のかかった早慶戦も早稲田の誇る斎藤(4年、早稲田実北海道日本ハム入団)、福井(4年、済美広島東洋入団)、大石(4年、福岡大大濠埼玉西武入団)を攻略して2004年秋以来のV奪回。大学選手権でもベスト4に残った。
壮絶だったのは秋だ。第3週の立教戦は9月25日から始まったが、1回戦を8−4で慶應が先勝した後、翌日の2回戦はスコアレスドロー、雨で1日空いた27日の3回戦は延長12回4−4引き分け、翌日の4回戦を立教が8−2で取ったことでなんと連盟としては20年ぶりとなる5回戦に突入。この間第4週で法政から勝点を落とし、5回戦は法政戦の2日後という過密日程となったが、この5回戦を延長14回時間切れ寸前で取ると、明治戦も先勝を許した後の2回戦、3回戦を連取してV戦線に残り、最後の早慶戦も2連勝で早稲田とのプレーオフという厳しい条件だったがこれもクリア。プレーオフでは投手陣が打ち込まれ、さらにベンチ登録の投手5人全員を使い切ったことで野手登録の正木(内野手。4年、慶応義塾)を登板させざるを得ない緊急事態もあり5−10で敗れ惜しくも連覇を逃したが、今年の大学球界が盛り上がった一因はやっぱり“陸の王者”の存在あってこそと言えるだろう。竹内、福谷(2年、愛知・横須賀)を軸とする投手陣、主砲・伊藤(3年、中京大中京)も残る来季も活躍が楽しみだ。


法政大学-Hosei UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成22年度東京六大学野球春季リーグ5位
平成22年度東京六大学野球秋季リーグ3位
V奪回を目指した今季だったが、春は前年の大学選手権優勝に貢献した亀谷(現トヨタ自動車)、和泉(現東芝)、松本(現日本通運)らが抜けた打線が不調(11試合34得点)でまさかの5位。MAX155km/h右腕・三嶋(2年、福岡工)が防御率1位(0.39)になりながら1勝もできなかった(0勝1敗)のがそれを物語る。秋は攻撃陣が13試合57得点と成長し、勝率も早稲田、慶応と並ぶ8勝4敗1分を記録しながら勝点で1点及ばず3位。ただ、河合(1年、中京大中京)、長谷川(3年、常葉菊川)らの成長が光ったシーズンでもあった。彼らのさらなる成長、また、エース・加賀美(4年、桐蔭学園。横浜入団)が抜ける投手陣も三嶋、三上(3年、県岐阜商)が残り、来季への期待は大きい。この経験が来年どう活かされるか。


早稲田大学-Waseda UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成22年度東京六大学野球春季リーグ2位
平成22年度東京六大学野球秋季リーグ優勝
明治神宮鎮座90年記念第41回明治神宮野球大会大学の部優勝
この4年間の最後を飾ったのはやはり早稲田、そして斎藤佑樹だった。春のリーグ戦は慶應との一騎打ちに敗れ優勝を逃したものの、秋は開幕から絶好調。早慶戦を残した段階で8勝2敗勝点4をマークし、1勝すれば優勝という絶対優位の状況となったが、そこでまさかの連敗。連盟として20年ぶりのプレーオフに持ち込まれ、流れは最悪だったが、この大一番を打線の爆発と斎藤、大石のリレーでものにし、4季ぶりのリーグ優勝。鬼門の神宮大会愛知学院大(愛知大学野球連盟)、神奈川大(神奈川大学野球連盟)を撃破、4年前の選手権決勝の再現となった東海大(首都大学野球連盟)との決勝は1点リードされた6回二死満塁の場面で四番・山田(4年、早稲田実JX-ENEOS入社予定)の適時打で勝ち越すと、このリードを福井、大石、斎藤のリレーで守りきり、ついに悲願の神宮大会初制覇。最高の形で4年間を締めくくった。
さて、来季に向けて気になるのはやっぱり三本柱の抜けた穴。リーグ戦では来年に向けた投手起用があるのか注目していたのだが、今年三本柱以外で登板したのは池下(4年、大冠。日立製作所入部予定)、大野(3年、静岡商)の2人のみで、現状来季の投手陣は実質大野1人。秋季新人戦で活躍した小山田(1年、古河三)、横山(1年、聖光学院)、森(大。2年、浦和学院。浦学・森士監督の長男)、さらにスポーツ科学部の推薦入試を突破し、来年入学予定の有原(広陵3年)の起用も十分考えられる。それだけにリーグ戦経験のある新主将・土生(3年、広陵)、神宮大会でも活躍した地引(2年、木更津総合)、松本(4年、千葉経大付。兄は横浜所属)、川西(4年、早稲田実)らがどれだけ援護できるかが鍵になるだろう。また、2005年から6年に亘り指揮を執ってきた應武篤良監督に変わり、来年からはOBで岡村猛氏が新監督に就任する。


立正大学-Rissho UNIV-(東都大学野球連盟二部所属)
今年度主要実績
平成22年度東都大学野球春季一部リーグ6位
平成22年度東都大学野球春季リーグ一部・二部入れ替え戦敗退により二部降格
平成22年度東都大学野球秋季二部リーグ4位
昨秋、リーグ戦初優勝と神宮大会優勝に貢献した4年生が多く抜け、戦力ダウンが懸念された今季、オープン戦2試合を何れも二桁失点で連敗スタート(0−15セガサミー、2−16三菱重工横浜)。これが悪夢の序曲だった。さらにリーグ戦が始まると絶対的エース・南(4年、県和歌山商。千葉ロッテ入団)で1回戦を取れても、2回戦は打線が援護できず、3回戦を南で落とすパターンが定着し、結局4勝10敗勝点0という最悪の結果で最下位に転落。青山学院大との入れ替え戦では1回戦に左腕・大村(3年、静岡)を先発させる奇策をとるも裏目に出て4回2失点で降板、打線も1点しか取れず敗れると、2回戦は南が7与四死球と苦しむも強打の青学打線を7回まで無安打に抑える好投で勝利するも、3回戦で連投の南が力尽き、2002年春の駒澤以来となる前季優勝校の入れ替え戦敗退という屈辱を味わった。
雪辱を期した秋は南が右肩の不調から調子が上がらず、伏兵・拓殖大から勝点を落とす予想外の展開になりながらも優勝争いに踏みとどまり、首位・駒澤から2連勝で勝点をとれば逆転優勝というところまで行ったが、1回戦をとって王手をかけながら2回戦を落としてV逸。3回戦も駒澤の細かな継投の前に点を取ることが出来ず、4位という結果に終わった。
来年は南も抜け、さらに厳しい戦いを強いられることになるが、一部並みに厳しい現在の二部で果たしてどんな結果が出る事か…。


亜細亜大学-Asia UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成22年度東都大学野球春季一部リーグ2位
平成22年度東都大学野球秋季一部リーグ5位
またしてもあと一歩が遠かった。春は開幕戦となった東洋大戦で連敗スタート。その後は中央大に1敗しただけで二度の4連勝を記録したが、勝率でわずかに及ばず2位。秋は春にチーム打率2割7分をマークした打線が2割1分5厘と不振に陥り、さらにエース・東浜(2年、沖縄尚学)が日本代表候補を故障で辞退した影響からか4勝4敗とこちらもやや不調(それでも防御率がリーグ2位の0.84をマークしているのは驚異の一言)。結局貧打が響いて7季ぶりにBクラスに沈んでしまった。中田(中日)、岩本(広島東洋)らを擁した強力打線でリーグ、神宮大会を制した2006年秋から早4年。来年こそ歓喜の時を迎えられるか。


中央大学-Chuo UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
昨年度主要実績
平成22年度東都大学野球春季一部リーグ3位
平成22年度東都大学野球秋季一部リーグ3位
学校創立125周年を迎えた今年、春、秋ともに勝利の女神に見放され、不運に泣かされた。春は4勝1敗勝点2で迎えた東洋大との天王山を2勝1敗で制し、この時点で東洋を抜いて首位に。ところが翌週の亜細亜大戦を控えた2日前の練習中、主将で司令塔の鮫島(4年、鹿児島工住友金属鹿島入社予定)が送球を右手小指に当てて骨折。攻守の要を失ったチームは亜細亜に先勝しながら続く2、3回戦を連敗して勝点を落とすと、翌週の國學院大1回戦を落とし自力Vの可能性が消滅し、翌日、試合前に東洋の胴上げを見せられた。
逆襲を期した秋は青学、亜細亜から連続して勝点を連取する好スタート。ところが雨天中止と東京六大学野球の日程変更によって東都の日程にも変更が生じたことがペースを狂わす。東洋戦は1回戦を取ったものの、2回戦を落とすと翌週は國學院大に先勝後まさかの連敗で勝点逸。この時点で残る対国士舘大2回戦、東洋3回戦の結果次第で優勝の可能性があったが、あろうことか国士舘戦でエース・澤村(4年、佐野日大。巨人入団)を温存したのが裏目に出て2−3で敗れ、自力Vが消滅。2008年に就任した高橋善正監督(元東映、巨人)は春季リーグを総括した際、メンタル面の弱さを指摘したが、春にチーム打率2割7分3厘、70得点をマークした打線が、秋は1割9分2厘、36得点にまで下降したことがそれを証明している感がある。澤村が抜ける来季は苦しい展開を強いられることになりそうだが、その分今季悔しい思いをしてきた主砲・井上(3年、崇徳)、西銘(2年、沖縄尚学)がどれだけ活躍できるか。また、今年甲子園を沸かせた島袋(興南3年)の入学も大きな話題になりそうだ。


東洋大学-Toyo UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成22年度春季東都大学野球一部リーグ優勝
第59回全日本大学野球選手権大会優勝
平成22年度秋季東都大学野球一部リーグ2位
勝利への執念が奇跡を起こした。立正大との開幕第1戦こそ落としたものの、その後は破竹の6連勝。ところが天王山と言われた中央戦を1勝2敗で落とし、自力Vが消滅。この時点で高橋監督は秋に向けての練習を始めたが、その矢先の翌週に中央が亜細亜に敗れ勝点逸。息を吹き返した王者は優勝マジック「2」で迎えた翌週の国士舘戦、1回戦を快勝し、2回戦は先手を許す苦しい展開となるも林崎(4年、東洋大姫路埼玉西武入団)の適時打で勝ち越し、見事2季ぶりのリーグ制覇。選手権では初戦(2回戦)の函館大(北海道学生野球連盟)戦を辛勝すると、準々決勝では昨年敗れた創価大(東京新大学野球連盟)にリベンジ、好左腕・塩見(4年、帝京五東北楽天入団)擁する八戸大(北東北大学野球連盟)との準決勝も乾(4年、東洋大姫路北海道日本ハム入団)、鹿沼(4年、桐生一。JFE東日本入社予定)のリレーで逃げ切ると、2年前の再戦となった東海大との決勝も今季エースにのし上がった藤岡(3年、桐生一)の快投で完封勝ちを収め、2年ぶり3回目の日本一を果たした。
連覇と2年ぶりの四冠を目指した秋は4年生が不調に陥り、青学2回戦で藤岡が下水流(4年、横浜。Honda入社予定)に一発を打たれて勝点を落としたのが響いて優勝を逃した。それでも2007年から2009年までの6シーズンで5回優勝(5連覇)を含める6度のリーグ優勝。そして4度の全国制覇は立派な数字。かつてあった、ここ一番に弱かった印象は、もうどこにもない。時代を築き上げた4年生は卒業するが、「黄金のマニュアル」を受け継いだ新主将・鈴木(3年、桐蔭学園)や藤岡、さらに来年出てくるであろう下級生達がどんな野球を見せるのか、楽しみだ。
それにしても、2007年6月、33年ぶりの日本一に導いた早稲田・斎藤が大学選手権でMVPを獲得した際、誰がこの4年間の天下を早稲田でなく、東洋が取ると予想しただろうか。


青山学院大学-Aoyama Gakuin UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成22年度春季東都大学野球二部リーグ優勝
平成22年度春季東都大学野球一部・二部入れ替え戦勝利により一部昇格
平成22年度秋季東都大学野球一部リーグ4位
52季ぶりの二部降格という屈辱を味わった昨秋に続き、今春も屈辱からスタートした。4月7日、拓殖大との開幕戦が行われた東京農業大のグラウンドは、それまで慣れ親しんだ神宮球場の人工芝ではなく、土のグラウンド。これが「いい薬になった」(河原井監督)以後攻守ともに好調を維持したチームは専修大に1敗を喫しただけの完全優勝で二部を制すると、伝統の「Aoyama」のユニフォームで挑んだ立正大との入れ替え戦も2勝1敗で制し、僅か1季で一部復帰。秋はエース・福島(2年、大阪桐蔭)、司令塔・小池(4年、常総学院千葉ロッテ入団)が故障で戦線離脱するアクシデントが発生し、二部降格の危機が漂うも、そこから奮起。国士舘、東洋から勝点を連取し、4位に滑り込んだ。来年は2006年春以来となる覇権奪回、そして2005年の選手権以来となる日本一なるか。


日本大学-Nihon UNIV-(東都大学野球連盟二部所属)
今年度主要実績
平成22年度東都大学野球春季二部リーグ6位
平成22年度東都大学野球春季二部・三部入れ替え戦残留
平成22年度東都大学野球秋季二部リーグ2位
昨年に続いてまたしても屈辱的な1年となった。春は専修大との開幕戦を落とすと以後チームは低迷。4勝9敗勝点1で拓殖大と5位タイで並ぶと、最下位決定プレーオフではリーグ戦で勝っている拓殖にまさかの敗戦。さすがに入れ替え戦では三部優勝の順天堂大に格の違いを見せて残留し、秋は優勝争いを演じたものの及ばず2位。連盟創設時から加盟している同校にとって、これほど寂しいものはない。来年こそ神宮で躍動する日大ナインの姿が見たい。


駒澤大学-Komazawa UNIV-(東都大学野球連盟二部所属)
今年度主要実績
平成22年度東都大学野球春季二部リーグ2位
平成22年度東都大学野球秋季二部リーグ優勝
平成22年度東都大学野球秋季一部・二部入れ替え戦勝利により来季一部昇格
「駒大というプライドが邪魔をしていた」今秋の入れ替え戦を制した後、笠間将裕主将(4年、平塚学園。日立製作所入社予定)はこうインタビューに答えている。それはそうだろう。駒澤と言えば名将・太田誠監督のもとリーグ優勝26回、全日本大学選手権優勝6回、神宮大会優勝4回を誇る名門校。それだけに2008年春に二部降格後、5シーズンも二部に沈んだことは屈辱以外の他でもなかったに違いない(2位、2位、4位、2位、1位)。だが、駒澤OBでNKK、JFE西日本で監督を務め、2004年の日本選手権優勝もしている村上文敏氏が打撃コーチに就任したこと、そして村上コーチの「勝つ顔をしていない」と言う指摘がチームを変えた。春の8勝2敗勝点4、秋の8勝4敗勝点4、入れ替え戦2戦目の同点、逆転劇は勝利への執念が生み出した結果だろう。二部降格している間、2位3回を記録しているのも「勝つ顔をしていない」ということが要因だったに違いない。
さて、6シーズンぶりに一部に戻る来季は果たして?今春二部リーグで無安打無得点試合を記録したエース・白崎(勇。3年、駒大岩見沢)、秋に台頭した井口(2年、市川越)は来年も健在。攻撃陣は主力を張った4年生が抜け、小林(2年、北海)、白崎(浩。2年、埼玉栄)ら、一部の空気を知らない面々が主力となるが、一部の空気に慣れられるかが鍵になる。


創価大学-Soka UNIV-(東京新大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成22年度東京新大学野球春季一部リーグ優勝
第59回全日本大学野球選手権大会ベスト8
平成22年度東京新大学野球秋季一部リーグ優勝
第6回関東地区大学野球選手権大会2回戦
またしても日本一は遠かった。大塚(北海道日本ハム)ら、主力の多くが抜け不安視されたが、投手陣では小川(2年、成章)、久保(2年、三島)が台頭。攻撃陣もクリーンアップが1、2年生という若い構成ながら春季リーグは圧勝。しかし、選手権では奈良産業大(近畿学生野球連盟)との2回戦こそコールド勝ちしたものの、準々決勝で東洋の前に敗退。秋も10勝1敗と圧倒的な強さを見せながら、神宮大会出場を賭けた関東選手権の初戦(2回戦)で中央学院大に逆転負けし全国への道を断たれた。
ただ、下級生が中心ということはそれだけ伸びしろも大きいということ。来季はこの悔しさをバネに再び日本一を狙う。


東海大学-Tokai UNIV-(首都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成22年度首都大学野球春季一部リーグ優勝
第59回全日本大学野球選手権大会準優勝
平成22年度首都大学野球秋季一部リーグ優勝
第6回関東地区大学野球選手権大会優勝
明治神宮鎮座90年記念第41回明治神宮野球大会準優勝
今年の東海ほど日本一の壁を痛感したチームもなかっただろう。春は他の5校を圧倒して10戦全勝で優勝。選手権ではエース・菅野(3年、東海大相模)の剛速球が炸裂して三振の山を築くも東洋との決勝で力尽き、準優勝。秋は武蔵大に1敗を喫したものの、他の5校を寄せ付けない強さで10勝1敗の完全優勝神宮大会出場を賭けた関東選手権も他を寄せ付けずに制覇し、神宮大会でも快進撃を見せたが、2007年の大学選手権決勝のリベンジを目指した早稲田との決勝では菅野の好投も報われず、またしても準優勝に終わった。
それでも菅野のボールは大学生レベルではそう簡単に打てない、ということは選手権、神宮大会で証明されたし、野手にも楽しみな逸材が多く控える。来年こそ壁を突破したい。


近畿大学-Kinki UNIV-(関西学生野球連盟所属)
昨年度主要実績
平成22年度関西学生野球春季リーグ2位
平成22年度関西学生野球秋季リーグ3位
荒木(東京ヤクルト)、藤川(俊。阪神)らが抜け不安視された攻撃陣が最後まで爆発できなかった。大学日本代表の長谷川(4年、済美ヤマハ入社予定)、若松(4年、大阪桐蔭パナソニック入社予定)の活躍はあったものの、勝負どころで武内(4年、倉吉北。ヤマハ入社予定)、中後(なかうしろ。3年、近大新宮)の2人を援護できなかった。また、春、秋ともに同志社大立命館大から勝点逸。苦戦の要因となった。
果たして来年は打線がどれだけ援護できるか。中後に次ぐ二番手の育成も急務だ。


さて、社会人編は現在絶賛執筆中。年内に間に合うのか???