22年ぶりの帰還
明けゆく空の向こうに待っていたのは、悲願の黒獅子旗…。史上初の大阪開催となった第82回都市対抗野球大会は1日、京セラドーム大阪で決勝が行われ、東京都・JR東日本が東京都・NTT東日本を2-1で下し、初優勝を果たした。東京勢の優勝は、1989年の第60回大会で東京都・プリンスホテルが優勝して以来22年ぶり12回目。
JR東は十亀(日本大)、NTT東は小石(立正大)と、ともに西武からドラフト1位、2位指名を受けた両投手の先発で始まった試合は2回表、一死二塁からNTT東の六番・平野(国士舘大)が三遊間を抜く二塁打を放ち1点を先制。小石は6回まで無安打投球を続けていたが、JR東は7回、先頭の四番・松本(横浜商科大)の左中間への本塁打で同点とすると、その後両チームの投手陣が踏ん張って延長戦に突入。11回裏、JR東は途中出場の三番・石岡(神戸国際大付。新人)が左翼線への二塁打で出塁すると、続く松本が左中間への適時二塁打を放ってサヨナラ勝ちを収めた。NTT東は投手陣が健闘するも、打線があと一押し出来ず、1981年(昭和56年)の第52回大会以来の優勝はならず。
決勝
東京都・NTT東日本
010 000 000 00 =1
000 000 100 01x =2
東京都・JR東日本
[N]小石(立正大。6回1/3)、●末永(帝京大。3回2/3)
[J]十亀(日本大。2回1/3)、片山(亜細亜大。6回)、○金(八戸大。2回2/3)
本塁打
[J]松本1号(7回。小石)
各賞は以下の通り。
首位打者賞
安田尚造内野手(仙台市・JR東日本東北チーム)…17打数7安打、4割1分2厘
打撃賞
該当者なし
優秀賞
東京都・NTT東日本チーム
今大会は、震災の影響もあって大会の開催も危ぶまれたが、そんな中でも被災地・宮城から出場のJR東北の快進撃、JR勢が3チームベスト8入りなど、話題を振りまいた。また、日本生命、NTT西日本と大阪市勢2チームが久々のベスト8入りとここ数年都市対抗で不甲斐なかった近畿勢に光明をもたらした。来年は京滋奈、大阪・和歌山、兵庫の3地区が統一された近畿予選で戦うことになるが、どのような結果を残すか。
そしてついに頂点を極めたJR東。元々日本野球の歴史と鉄道のつながりは相当深いものがあるのだが、国鉄・JR勢としては1935年(昭和11年)の第10回で門司市(現北九州市)・門司鉄道局(現JR九州)が優勝して以来の黒獅子旗奪還…。鉄道野球の復活を見事果たした。
JR東日本硬式野球部の皆様、関係者、社員の皆様、本当におめでとうございます。
来年は7月開催で真夏の祭典復活!2年ぶりに都市対抗観戦が出来る事、楽しみにしています!
「来年は、東京ドームで会いましょう!」