トシ坊の注目チーム2011〜大学野球決算編〜

はじめに…
本来ならシーズン開幕前に展望編を挙げておくべきだったんですが、東日本大震災の影響で東北3連盟(北東北、仙台六大学、南東北)のリーグ戦が開催出来るか不明だったため、掲載を見送りました。この場を借りてお詫び申し上げます。
なお、本稿で取り上げているチームは、本来展望編で取り上げる予定だったチームとなりますので、ご了承願います。また、紹介順は昨秋の順位、4年生の進路は「週刊ベースボール12・15号増刊大学野球2011秋季リーグ戦決算号」に記載されているものとなります。
八戸大学-Hachinohe UNIV-(北東北大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成23年度北東北大学野球春季一部リーグ戦2位
平成23年度北東北大学野球秋季一部リーグ戦2位
エース・塩見(東北楽天)、主砲・秋山(埼玉西武)が抜け、八戸大をここまで育て上げた藤木豊監督が顧問に退き、正村公弘新監督が指揮を執った中での今季成績はまずまずと言える。投手陣では小林(2年、光星学院)が春に防御率0.28、秋は千葉(3年、仙台)が防御率1.44をマークする活躍を見せ、塩見の穴を見事に埋めて見せた。一方の内田(4年、神戸国際大付。かずさマジック入団予定)、初沢(4年、明野)、中西(3年、横浜創学館)ら経験者が残った打線は相変わらず強力。田代(4年、東海大四埼玉西武5位指名)は秋に打点王をマークする活躍を見せた。それだけに春秋とも大事なところで星を落としたのが痛い。今季は投手陣が経験を積んだだけに、来季は覇権奪回なるか。


東北福祉大学-Tohoku Fukushi UNIV-(仙台六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成23年仙台六大学野球春季リーグ戦優勝
第60回全日本大学野球選手権大会2回戦
平成23年仙台六大学野球秋季リーグ戦優勝
明治神宮野球大会第3回東北地区代表決定戦優勝
明治神宮創建85年記念第42回明治神宮野球大会ベスト4
震災で春季リーグ戦の開幕が遅れるというアクシデントはあったものの、年間通してみると、その強さは変わらなかった。しかし、全国での結果はと言うと、必ずしも納得いくものではなかった。
春は主将・生多(おぶた。4年、智弁学園JFE東日本入社予定)が5割3分8厘で首位打者に輝くと、エース・中根(4年、仙台育英東京ヤクルト5位指名)も5戦5勝、防御率0.75で最優秀選手賞を受賞する活躍を見せ、10戦全勝で断トツの優勝。しかし、選手権では初戦(2回戦)の愛知学院大(愛知大学野球連盟)戦、2点リードして迎えた最終回に中根がつかまり、まさかの初戦敗退。その雪辱を期して挑んだ秋は左腕・荻野(3年、東北)が5戦5勝の活躍を見せ、防御率0.49で最優秀選手賞、打線も茂山(3年、智弁学園)が2本塁打15打点で打点王を獲得する活躍で、春に続く10戦全勝優勝。神宮大会東北代表決定戦も首尾よく勝ち抜き、本大会初戦では大阪体育大(関西5連盟、阪神大学野球連盟)の松葉(3年、東洋大姫路)との壮絶な投手戦に尾形(4年、東陵。野球継続予定)が劇的なサヨナラ弾を放ちベスト4に進むも、明治・野村(4年、広陵広島東洋1位指名)、岡(大。2年、倉敷商)のリレーの前に打線が沈黙。中根を先発に立てた投手陣も中盤につかまり、悔しい結果となってしまった。
来年は茂山、荻野ら今年悔しい思いをした面々が残る。今年果たせなかった思いは来年ぶつける。


早稲田大学-Waseda UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成23年東京六大学野球春季リーグ戦5位
平成23年東京六大学野球秋季リーグ戦2位
斎藤(北海道日本ハム)、福井(広島東洋)、大石(埼玉西武)の三本柱が抜けた今季、投手陣の再編がカギとなったが、春は経験不足がはっきりと出てしまった。春規定投球回に達したのは大野(健。4年、静岡商ヤマハ入社予定)ただ一人で、防御率3.89はリーグ戦8位。横山(2年、聖光学院)、高梨(1年、川越東)、有原(1年、広陵)ら、経験の浅い下級生の健闘も光ったが、立教3回戦、法政1回戦と、2試合連続2ケタ失点を記録(早稲田史上初)するなど、チーム防御率は4.62と6校中5位。
さらに、岡村猛新監督が掲げた「打棒・早稲田の復活」という目標も、昨春の首位打者渡邊(侑。4年、聖光学院鷺宮製作所入社予定)、昨秋の首位打者で主将の土生(4年、広陵広島東洋4位指名)が揃って不振に陥り(結局土生は年間通じて不振だった)、3割以上をマークしたのは佐々木(3年、早稲田実)ただ一人という惨状でチーム打率も2割2分3厘(6校中5位)で達成できず。終わってみればまさかの5位転落。早慶戦では昨春に続いて慶応の胴上げを見せ付けられた。
しかし、秋は大野が防御率1.53で最優秀防御率を手中にし、2回戦を任された高梨が5勝を挙げ、有原もリリーフで健闘するなど、チーム防御率は2.63(6校中2位)と大きく改善。さらに打線も渡邊が復調し、市丸(4年、佐賀北東芝入社予定)、杉山(3年、東総工)、地引(3年、木更津総合)が高打率をマークし、リードオフマンに中村(1年、天理)が定着。チーム打率2割9分8厘とこちらも6校中2位の成績を残し、チームも2位と大きく躍進した。
この1年の経験が来季どこまで反映されるか、楽しみである。


慶應義塾大学-Keio UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成23年東京六大学野球春季リーグ戦優勝
第60回全日本大学野球選手権記念大会準優勝
平成23年東京六大学野球秋季リーグ戦5位
天国と地獄…まさにこの言葉通りの1年となった。春は主砲・伊藤(4年、中京大中京阪神1位指名)、山崎(3年、慶應義塾)らの強力打線が機能。三冠王こそ逃したものの、伊藤は最終戦まで首位打者を争い(4割5厘)、4本塁打17打点をマーク。投手陣もリリーフに回った福谷(3年、愛知・横須賀)が防御率0.59で最優秀防御率のタイトルを取り、エース・竹内(大。3年、中京大中京)も5勝を挙げる安定ぶりで、見事完全優勝を達成。選手権では伊藤が不調だったものの投手陣が健闘し、24年ぶりの決勝進出を果たし、東洋大(東都大学野球連盟)に敗れたものの準優勝。福谷が東洋のエース・藤岡(4年、桐生一。千葉ロッテ1位指名)と素晴らしい投手戦を展開した。
しかし、秋は一転して苦しい試合が続く。開幕カードの東京大戦を2連勝で下して迎えた法政戦で先勝しながら、そこから連敗して勝点を落とすと、続く明治戦も1回戦を先勝しながら続く2試合を連敗して勝点を落とし、優勝戦線から脱落。竹内、福谷の二本柱が春ほど活躍できなかったというのも大きかったが、何よりも、春大活躍の伊藤が2割6分5厘0本塁打1打点では勝てない。打線も伊藤に引き摺られるように全体が湿ってしまい、得点(春:61点→秋:33点)、打率(春:2割6分5厘→秋:2割3分3厘)とも大きくダウン。早慶戦でも2009年春以来の勝点を早稲田に献上し、最悪の形で1年を終えてしまった。
来シーズンは伊藤、伊場(4年、慶應義塾日本製紙石巻入社予定)ら、今季活躍した攻撃陣が抜ける。果たしてこの穴をどうやって埋めていくかが「陸の王者」逆襲のカギになる。


法政大学-Hosei UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成23年東京六大学野球春季リーグ戦3位
平成23年東京六大学野球秋季リーグ戦4位
攻守とも高い戦力を持ちながら、優勝は遠かった。その原因は春秋とも攻守の歯車が噛み合わなかったこと。春は安打製造機・多木(3年、坂出)、3試合連続本塁打を放った河合(2年、中京大中京)、2本塁打を放った期待のルーキー・伊藤(諒。1年、神港学園)らを軸とした強力打線が打ちまくり、リーグトップの11本塁打を放ったが、投手陣が慶應戦、立教戦で打たれたのが響いて3位。雪辱を期した秋はエース・三上(朋。4年、県岐阜商JX-ENEOS入社予定)が春に続いて4勝を挙げ、1年生ながら2回戦の先発を任された石田(広島工)も3勝をマークする活躍。しかし、打線が中盤以降沈黙し、春2割5分6厘(リーグ3位)をマークしたチーム打率が2割2分(6校中5位)まで降下。チームは最終カードの立教戦まで優勝を争ったが、連敗で勝点を落とし、ジ・エンド。早慶戦で早稲田が勝点を取ったため、勝率の差で4位となった。
来年は1年春に鮮烈デビューを飾った三嶋(3年、福岡工)、多木の2人が最終学年を迎え、金光監督も就任10年目となる。大学日本一に輝いた2009年春以来となる覇権奪回を果たしたいところだ。


明治大学-Meiji UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成23年東京六大学野球春季リーグ戦4位
平成23年東京六大学野球秋季リーグ戦優勝
明治神宮創建85年記念第42回明治神宮野球大会大学の部優勝
昨年は創部100周年という記念の年を戦ったが、今年は大学創立130周年、そして故・島岡吉郎監督生誕100周年という記念の年となった。ちなみに、今年の4年生は島岡氏が亡くなった1989年(平成元年)生まれでもある。
しかし、春はエース・野村(4年、広陵広島東洋1位指名)が1回戦を5戦全勝しながら、立教、慶応、法政の3カードで2回戦を落とし、3回戦を野村で落とすというパターンに嵌って4位。2回戦の先発投手が安定しなかったのも大きかったが、何よりも打線が2割3分9厘(6校中4位)と援護できなかったのが響いた。
しかし、秋は投打とも大きく進化した。早稲田、法政、慶応と、開幕から3カード連続で3回戦までもつれ込んだが、この3カードの3回戦を何れも野村が勝ち投手に。善波監督が指摘した「心のスタミナがない」という課題を見事クリアするとともに、6勝、57奪三振をマークしてリーグ史上7人目となる「30勝300奪三振」も達成。1勝に終わったものの2回戦の先発を任された難波(4年、春日部共栄東京ガス入社予定)、慶應2回戦で2回途中からロングリリーフし初勝利、打っても二塁打2本、2打点を叩き出した岡(大。2年、倉敷商)の活躍も光った。
さらに、もう一つの課題だった打線も、夏の飯田キャンプで導入された最新式バッティングマシンの効果が発揮された。春2本塁打を放ち、日米大学野球選手権代表に選出された中嶋(なかしま。2年、桐蔭学園)が慶應2回戦から四番に定着すると3割6分7厘、2本塁打、16打点と打ちまくり、安打製造機・島内(4年、星稜。東北楽天6位指名)は春に続いて安打を量産。正捕手・川辺(4年、日大藤沢ヤマハ入社予定)も首位打者まであと一歩となる4割2分2厘と打ちまくるなど、チーム打率は6校中トップとなる3割7厘と大きく飛躍。二つの課題を克服して4季ぶり34回目の優勝を見事な完全優勝(10勝3敗、勝点5、勝率7割6分9厘)で飾ると、明治神宮大会でも初戦(2回戦)の福山大(中国・四国3連盟、中国地区大学野球連盟)を強力打線が粉砕して19-0の7回コールド勝ち。続く東北福祉大戦は0-0で迎えた6回に中村(将。4年、関西。日立製作所入社予定)の決勝3点適時三塁打が飛び出し、野村、岡のリレーでシャットアウト(5-0)。そして愛知学院大(北陸・東海3連盟、愛知大学野球連盟)との決勝は、野村が4年間の全てをぶつけた圧巻の投球で打者27人4安打91球完封勝利(2-0)を挙げ、川上憲伸が3年だった96年以来となる優勝を飾った。5回目の優勝は大会最多、そして全試合無失点は大会史上初の快挙である。
この4年間、神宮を沸かせた野村は卒業するが、来年以降はリーグ戦、神宮大会と経験を積んだ岡、リーグ優勝を決めた東京大2回戦で初勝利、さらに3安打3打点を挙げる大活躍を見せた山崎(1年、日大三)、神宮大会の福山大戦で5回を完全に抑え勝利投手となった今岡(1年、横浜隼人)と楽しみな投手が残る。彼ら若手投手陣を上本(3年、広陵)、中嶋らがどれだけ援護できるかが来年のカギとなる。


立教大学-Rikkio UNIV-(東京六大学野球連盟所属)
今年度主要実績
平成23年東京六大学野球春季リーグ戦2位
平成23年東京六大学野球秋季リーグ戦3位
今年の立教は久々に神宮の杜を沸かせた。春は開幕の慶應戦こそ勝点を落としたものの、その後の4カードは全て勝点を奪取。6勝を挙げた左腕・小室(3年、日野)が一気にエースにのし上がると、攻撃陣では那賀(4年、大阪桐蔭三菱重工神戸入社予定)が慶應・伊藤を抑えて4割1分8厘の高打率で首位打者を獲得。主将・岡崎(4年、PL学園日立製作所入社予定)も右手中指付根剥離骨折の重傷を負ったものの、2本塁打を放ってベストナイン(二塁手部門)を初受賞するなど、終わってみれば優勝した99年秋以来となる勝点4(9勝4敗1分)をマークして、前年秋の5位から2位に躍進した。
しかし、その勢いを持ち込みたかった秋は苦しんだ。東京大から勝点を奪って迎えた早稲田1回戦で小室が左中指のマメを潰して緊急降板すると、後を受けた投手陣が早稲田打線に捕まり0-5で敗戦、続く2回戦も岡部(賢。3年、立教新座)が好投しながら、2-1と1点リードして迎えた最終回に打たれてサヨナラ負けを喫し連敗。勝点を落とすと、続く明治1回戦では岡崎が右臀部肉離れを発症して2回戦を欠場。大事な場面で投打の軸を欠いたのが響いて連敗し、この時点で優勝争いから脱落してしまった。それでも、続く慶應戦はこの2人が復帰して勝点を取ると、Aクラス入りがかかった法政戦は1回戦で小室が3安打完封、続く2回戦は延長10回サヨナラ勝ちを収め、2002年以来となる2季連続Aクラスを決めた。
2008年入学者から導入のアスリート選抜入試の効果も徐々に出始めている立教。小室、岡部が残る来年の躍進も非常に楽しみである。


國學院大學-Kokugakuin UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成23年東都大学野球春季一部リーグ戦6位
平成23年東都大学野球春季一部・二部入れ替え戦敗退により二部降格
平成23年東都大学野球秋季二部リーグ戦2位
創部80周年の昨年を初優勝(秋季リーグ戦)で飾った事を受けて迎えた今シーズン、優勝の原動力となった鷲尾(4年、能代日本通運入社予定)、阿部(4年、日大山形)、高木(4年、星稜。巨人4位指名)の投手陣が残り、打線も主砲・庄司(4年、修徳。Honda鈴鹿入社予定)が残ったことで、連覇への期待が高かった國學院大。しかし、現実は、いや、戦国東都はあまりに厳しかった。
開幕戦となった亜細亜1回戦では打線が爆発し、エース・東浜(3年、沖縄尚学)を沈めたが、続く2、3回戦は連敗。続く中央戦では先勝を許して迎えた2回戦で大学初勝利目前の島袋(1年、興南)を捕え、サヨナラ勝ちを収めたものの3回戦を落として勝点逸。東洋大戦では初戦を落として迎えた2回戦で高木が5安打完封に抑えたものの、3回戦で敗れて勝点逸。決して見せ場が無かったわけではないが、見せ場を作ったその後がいけなかった。結局5勝9敗勝点1で最下位に沈むと、日本大との対戦となった入れ替え戦では1回戦で完封負けを喫すると、続く2回戦では鷲尾が6回までパーフェクトに抑える好投を見せるも、最終回に突然崩れて5失点を喫し、まさかの連敗で二部降格。昨春の立正大に続き、前季優勝校が二部へ降格という屈辱を味わわされた。
1季での一部復帰を目指して挑んだ秋は開幕戦の拓殖戦で連敗。2試合とも1点差での敗退だった。続く立正戦も1勝1敗で迎えた3回戦を落として勝点逸し優勝争いから後退してしまった。その後調子を戻して2位に入っただけに、この出足は悔やまれる。
来季は投打ともに戦力が大きく変わるが、果たして。


東洋大学-Toyo UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成23年東都大学野球春季一部リーグ戦優勝
第60回全日本大学野球選手権記念大会優勝
平成23年東都大学野球秋季一部リーグ戦3位
大学四冠こそ逃したものの、選手権連覇という輝かしい実績を上げた今シーズン。東洋大黄金時代は揺らぐどころか、いよいよ確固たるものになっている、と言っても過言ではないだろう。
春のリーグ戦は開幕から絶好調で、開幕から6連勝。このまま全勝優勝もあるかと思われたが、4カード目の青山学院大戦で「どこかに『藤岡がいるから』という油断」(鈴木大地主将=4年、桐蔭学園千葉ロッテ3位指名)から、2試合連続で1-0で落とし、まさかの連敗。しかし、ここで「開幕のときの気持ちに戻ろう」と結束し、國學院大戦に挑むとまず1回戦を逆転で先勝すると、翌日の2回戦の前に青学が中央に敗れ前人未到の春5連覇が決まり、その後の試合で0-4と敗れ、試合に負けて優勝決定という珍事は起きたものの、3回戦をきっちり取って勝点4。エース・藤岡(4年、桐生一。千葉ロッテ1位指名)は全11試合に登板し、5勝2敗、防御率1.44、最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインの三冠に輝き、2007年の大場(現福岡ソフトバンク)を想い出させる奮闘ぶり。首位打者に輝いた戸田(3年、前橋工)の打棒も光った。
そして選手権も初戦(2回戦)の福岡大(九州六大学野球連盟)戦は2点ビハインドで迎えた6回に鈴木の2ランで追いつくと、9回に藤本(2年、PL学園)の適時打で勝ち越し。藤岡が1試合19奪三振(大会タイ記録)を奪うと、準々決勝の道都大(札幌学生野球連盟)戦は打線の爆発と藤岡、藤田(3年、浜田)、鈴木(4年、東洋大牛久明治安田生命入社予定)のリレーで8回コールド勝ち。準決勝は九州共立大(福岡六大学野球連盟)の二枚看板、川満(3年、宮古総合実)、大瀬良(2年、長崎日大)の前に苦戦したものの少ないチャンスを確実に活かし、味方の好守と内山(4年、浦和学院JR東日本東北入社予定)、藤岡のリレーでシャットアウト。決勝の慶応大(東京六大学野球連盟)戦は藤岡が左足ふくらはぎを攣りながらも10回完投、その裏に小田(4年、九州学院日本生命入社予定)が選手権史上2度目となる決勝戦サヨナラ弾を放って史上5校目の選手権連覇を達成。藤岡はここでも全試合に登板し、大会タイ記録にあと一つと迫る48奪三振をマークし、最優秀選手賞と最優秀投手賞を2年連続で受賞。
迎えた秋は開幕カードの駒澤戦で勝点を奪い好スタートを切ったものの、続く中央戦で打線が振るわず勝点を落としたのが響き、第6週で亜細亜から勝点を奪って勝点を3とし優勝戦線に踏みとどまったものの、第7週でその亜細亜が中央から1勝した時点で優勝争いから脱落。それでも亜細亜1回戦で高橋昭雄監督が監督通算500勝を挙げ、青山学院大1回戦で駒澤・太田誠前監督を抜く502勝目を挙げ、藤岡が最優秀投手、敢闘賞、ベストナインの三冠、小田が首位打者に輝くなど力は見せた。
来季は大エース・藤岡、チームの精神的支柱だった鈴木が卒業。特に投手陣に不安を残すが、この穴をどう埋めていくのか、高橋監督の手腕に期待したいところ。来年度入学予定者では原(東洋大姫路)、増渕(鷲宮。兄は東京ヤクルト所属)にも期待したいところだ。


中央大学-Chuo UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成23年東都大学野球春季一部リーグ戦4位
平成23年東都大学野球秋季一部リーグ戦6位
平成23年東都大学野球秋季一部・二部入れ替え戦勝利により一部残留
スーパールーキー・島袋(興南)の入学で、大きく注目された中央だったが、今年はあまりに打線が打てなさすぎた。
春は島田(3年、常総学院)が3割5分9厘で首位打者を獲得し(東洋・戸田と同率)、飯田(3年、常総学院)、影山(2年、桐蔭学園)も3割を打ったが、主砲・井上(4年、崇徳。日本生命入社予定)が2割1分4厘、切り込み隊長の西銘(3年、沖縄尚学)が2割3分9厘と不振で好投の投手陣に応えられず4位。秋は2カード目の東洋戦で連勝し、勝点を挙げたが、打線の不振は秋も変わらず、その後駒澤、青学に4連敗。それでもこの段階では下位3校の中で一番最下位から遠かったが、残留のかかった亜細亜戦で先勝しながら、続く2、3回戦を落とし、一番最下位に近かった日本大が駒澤から勝点を奪ったことで、駒澤との最下位決定戦に。その最下位決定戦も1回一死から入江(4年、浜田。東京ガス入社予定)をリリーフした鍵谷(3年、北海)が好投したが、打線が駒澤の先発・井口(3年、市川越)に2安打に抑え込まれ、両チーム無得点で迎えた9回裏、駒澤の四番・白崎(浩。3年、埼玉栄)にサヨナラ弾を浴びて入れ替え戦へ。二部優勝の拓殖との一戦は、初戦、3点をリードしながら追いつかれ、延長13回にサヨナラ負け。それでも続く2回戦は3年前の一部復帰の立役者である渡邊(4年、日大東北)、杉沼(4年、秋田中央)、井上ら4年生の活躍でタイに戻すと、3回戦はようやく序盤に打線が爆発し、拓殖の追い上げを振り切って、何とか一部残留を果たした。
今季は島袋入学という大きな話題もあり、昨年に続いて大きな注目と、プレッシャーがあったはずで、それは「島袋の二部はあり得ない。あそこ(神宮第二)で投げさせてはいけない投手」(井上)、「皆さん(報道陣)に第二球場へ来ていただくわけにはいかない」(高橋監督)というコメントが全てを表している。
その島袋だが、春は中央野球部史上48年ぶりの1年生開幕投手を任されながら、打線の無援護から勝ち星に恵まれず、大学初勝利は第6週の亜細亜2回戦で亜細亜のエース・東浜と投げ合って1-0の完封勝利。同郷、甲子園優勝投手対決を制し、1勝3敗ながら防御率0.99(リーグ2位)で新人賞を受賞したが、秋も打線の援護に恵まれる展開が少なく、2勝4敗、防御率3.08と悪くなってしまった。高橋監督の評価も辛いが、それでも、春秋通算3度あった東浜との同郷対決は2勝1敗と勝ち越すなど、実力の片鱗は見せている。
来季は鍵谷、島袋が軸となるだろう投手陣を西銘、島田ら攻撃陣がどれだけ援護できるか。この1年の経験が果たしてどれだけ還元されるか大いに注目である。


青山学院大学-Aoyama Gakuin UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成23年東都大学野球春季一部リーグ戦2位
平成23年東都大学野球秋季一部リーグ戦2位
春秋とも久々に優勝争いを演じた青学だが、スタートは決して楽なものではなかった。駒澤との開幕第1戦の試合前練習で、左腕・垣ヶ原(4年、帝京。日立製作所入社予定)が右足アキレス腱を断裂。主力打者の篠塚(4年、桐蔭学園。Honda入社予定=元巨人・篠塚和典氏の息子)も右肩を痛め、開幕戦を欠場するなど、苦しい陣容で開幕から3連敗。だが、亜細亜2回戦で初勝利を挙げると、そこから猛進撃で一気に6連勝。特に第7週の東洋戦は2試合とも一発で挙げた1点を投手陣が守りきるというスリリングな展開で、全勝優勝を目指す王者の連勝をストップ。最終第8週に優勝を賭けたが、中央に2連敗を喫し、ジ・エンド。それでも開幕時の不安を払拭した戦いぶりは見事だった。
そして迎えた秋は開幕の駒澤戦を連勝スタート。続く亜細亜戦は先勝しながら連敗で勝点を落としたが、続く日本大戦は4回戦までもつれこむ激闘の末に勝ち点を奪い、中央にも2連勝し、最後の東洋戦は2連勝で自力優勝という状況で迎えたが、その初戦を藤岡に7安打を浴びせながら13三振1点に抑え込まれ、自力優勝の目が消滅。それでも続く2回戦は8回まで無得点に抑え込まれながら9回に安打、失策、四球を絡めて無死満塁として四番・杉本(2年、徳島商)の犠飛で同点、延長10回に再び無死満塁から佐野(2年、大阪桐蔭)の犠飛で勝ち越して逃げ切ると、3回戦は右足付け根部分を骨折しながら指名打者として出場を続けた主将・木野(4年、PL学園東芝入社予定)の活躍と石井(4年、青森山田西濃運輸入社予定)、福島(3年、大阪桐蔭)、福本(1年、大阪桐蔭)のリレーで勝点4をゲット。亜細亜との優勝決定戦へコマを進めたが、先発・齋藤(2年、青森山田)の好投も実らず1-2で敗戦。2006年春以来の優勝はならなかった。
今年味わった悔しさを来年晴らすことが出来るか。齋藤、福島、杉本、佐野らが残るだけに、期待したいところだ。


駒澤大学-Komazawa UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成23年東都大学野球春季一部リーグ戦5位
平成23年東都大学野球秋季一部リーグ戦5位
2008年春以来の一部復帰を果たした今季、一部残留こそ果たしたものの、それぞれのリーグ戦の成績は不本意なものに。おまけにシーズン終了後、小椋正博監督が2年前に飲酒運転及び速度超過の違反と免許取り消しを受けていたことが発覚し、責任を取って辞任、猿山義広野球部長も責任を取って辞任するなどドタバタした形でシーズンを終えた。
出足は好調だった。春、中央との開幕戦は話題のルーキー・島袋を持ち前の機動力で攻略し、一部復帰戦を2勝1敗で2007年秋以来となる勝点奪取。続く青学戦も2連勝で勝ち点を挙げ、幸先のいいスタートを切ったかに見えたが、続く東洋戦を連敗で勝点を落としてから失速。國學院1回戦で先勝しながらも、続く2、3回戦は守備のミスから連敗して勝点を落とし、亜細亜戦も連敗で勝点を落とし、最終成績は5位。エース・白崎(勇。4年、駒大岩見沢JR東日本入社予定)が4勝を挙げる活躍を見せたものの、駒澤らしくない野球だったのも事実である。
秋も苦しんだ。開幕の東洋戦は1勝1敗で迎えた3回戦を、またしても守備のミスから大量失点を喰らい勝点逸。その後亜細亜戦まで最悪の5連敗を喫してしまう。その後中央から連勝で勝点を奪い、何とか残留戦線に踏みとどまったものの、勝点を奪えば残留決定だった日本大戦は先勝しながら、続く2、3回戦を連敗。中央との最下位決定戦に回ることとなったが、この一戦を二本柱の一人、井口(3年、市川越)が好投し、0-0で迎えた9回、四番・白崎(浩、3年、埼玉栄。ちなみにエース・白崎勇とは親戚関係)のサヨナラ弾で、どうにか最下位を回避した。
現時点で新体制及び、野球部と小椋前監督に対する日本学生野球協会からの処分についてはまだ発表されていないが、社会的に許されない事をしたのは紛れもない事実。しっかりと反省をしたうえで、来季また、神宮球場に姿を現してくれるのを祈るのみだ。


立正大学-Rissho UNIV-(東都大学野球連盟二部所属)
今年度主要実績
平成23年東都大学野球春季二部リーグ戦4位
平成23年東都大学野球秋季二部リーグ戦3位
昨シーズン二部に降格した悔しさを晴らしたかった立正だったが、結果は不本意なものとなった。
春は優勝した日本大から連勝で勝点を奪ったものの、他校との対戦成績が振るわず4位。秋は優勝した拓殖から勝点を奪い、一時は優勝の目もあったが、最後の国士舘戦で敗れ、結局3位。春4勝の下本(2年、和歌山商)、秋防御率1.62の崎田(2年、立正大淞南)、秋3勝の沼田(1年、天理)、春3本塁打の関本(4年、平安。日本通運入社予定)、秋の首位打者で、年間6本塁打を放った日米大学選手権代表の吉田(2年、日大三)の活躍が光ったものの及ばなかった。
ただ、上に挙げた5人の内、関本以外の4人は下級生である。彼らが順調に成長していけば、一部復帰は遠くないと見る。果たして来年は…


日本大学-Nihon UNIV-(東都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成23年東都大学野球春季二部リーグ戦優勝
平成23年東都大学野球春季一部・二部入れ替え戦勝利により一部昇格
平成23年東都大学野球秋季一部リーグ戦4位
2008年秋の入れ替え戦國學院に敗れて以来、二部暮らしが続いていた日本大が、復活への第一歩を記した。
春はエース・吉田(4年、青森山田JR東日本入社予定)が4勝を挙げ、最優秀投手に輝くと、打線も小林(4年、高松商四国銀行入行予定)、村田(2年、PL学園)、中井(3年、専大北上)らを中心に打ちまくり、8勝3敗1分勝点4で見事優勝。そして國學院との入れ替え戦も、初戦は吉田が4安打完封。続く第2戦は國學院・鷲尾の前に6回までパーフェクトに抑え込まれたが、3点ビハインドの7回に1点を返すと、最終回に一挙5点の猛攻を浴びせ、見事逆転で2008年秋以来となる一部復帰を果たした。
そしてその底力は、秋のリーグ戦最終盤で発揮されることになる。青学戦を終えた段階で日大の成績は3勝7敗1分勝点1で最下位。最終・駒澤戦に残留を賭けたがその初戦を延長の末落としてしまう。誰もが入れ替え戦を覚悟する中、続く2回戦で湊(3年、日大高)が駒澤打線を3安打完封すると、3回戦は1点を争う際どい勝負となったが、駒澤の執念を振り切り見事勝点奪取。4位の座と一部残留を決めた。
この経験と底力は来年残るメンバーにとって大きな財産となるはず。来年は2004年春以来の優勝を目指す。


専修大学-Senshu UNIV-(東都大学野球連盟二部所属)
今年度主要実績
平成23年東都大学野球春季二部リーグ戦6位
平成23年東都大学野球春季一部・二部入れ替え戦勝利により二部残留
平成23年東都大学野球秋季二部リーグ戦5位
連盟史上最多(31回)の優勝を誇る名門も、ここ数年はすっかり低迷し、二部の下位に落ち着いてしまった。連盟創設時から所属し、初代王者でもあるだけにこれは専修にとっても一ファンの目から見てもさみしい。
春は途中まで健闘し、春山(3年、桐蔭学園)が3勝で防御率1位(1.26)、新人・池田(新潟明訓)も2勝を挙げたが、山田(2年、県岐阜商)がまさかの0勝7敗、チームも終盤日本大、東京農大に連敗し、最下位に。大正大との入れ替え戦は連勝で制し、意地を見せたものの、秋も調子は上がらず、チームは最終カードの拓殖戦で相手の優勝決定を見る結果に。悔しい結果となった。
そろそろ一部でグリーンのユニフォームがプレーするところを見たいところ。二部もかなり厳しいが、期待したい。


東海大学-Tokai UNIV-(首都大学野球連盟一部所属)
今年度主要実績
平成23年首都大学野球春季一部リーグ戦2位
平成23年首都大学野球秋季一部リーグ戦優勝
横浜市長杯争奪第7回関東地区大学野球選手権大会ベスト4
昨年は選手権、神宮大会ともに準優勝に終わり、その雪辱を期した今シーズン。しかし、今年はそれ以上に悔しい思いをすることとなった。
春は開幕の城西大戦を2連勝し、幸先のいいスタート。ところが1週空けて迎えた日本体育大戦は1回戦を先勝しながら続く2、3回戦はまさかの連敗。特に3回戦は注目のエース・菅野(4年、東海大相模北海道日本ハム1位指名拒否?)が4回に連盟新記録となる49回連続無失点を樹立しながら、打線の無援護が響いた(記録は53回でストップ)。その後、筑波大、帝京大は共に連勝で勝点を取り、最終週まで優勝争いに加わったが、逆転優勝を賭けた武蔵大1回戦で菅野がまさかの3回6失点KOを喰らう。その後の2試合も菅野は先発で連投し、連続完封勝利をマーク。シーズンタイ記録となる5完封を挙げ、勝点を取ったものの、日体大を捕える事は出来ず、リーグタイ記録となる9連覇を逃した。
秋は打線が復調、田中(4年、東海大相模JR東日本入社予定)が首位打者に輝き、投手陣を助けると、菅野は春に続いて好調で、帝京大1回戦で連盟新記録となる通算14度目の完封勝利を記録。さらに年間7完封は連盟タイ記録、通算37勝は歴代4位と、大学BIG3(菅野、藤岡、野村)の名に恥じない大活躍。チームは見事、全勝優勝で62回目の優勝を飾ったが、神宮大会出場を賭けた関東選手権では、初戦(2回戦)の白鴎大戦こそ菅野が完封したものの、代表権を賭けた準決勝の桐蔭横浜大(神奈川大学野球連盟)戦でまさかのサヨナラ負け。出場権を逃す結果となった。東海が全国の舞台に姿を現さなかったのは、97年以来のことである。
リーグ優勝と全国優勝が至上命題の東海にとって、今年は屈辱としか評せない1年。さらに、2007年の選手権準優勝以来、神宮大会も入れると、全国大会の決勝は4戦全敗中だ。「全国№2」返上へ、来年は逆襲の年となりそうだ。


同志社大学-Doshisha UNIV-(関西学生野球連盟属)
今年度主要実績
平成23年関西学生野球春季リーグ戦優勝
第60回全日本大学野球選手権記念大会2回戦
平成23年関西学生野球秋季リーグ戦優勝
第9回関西地区大学野球選手権大会敗者復活2回戦
絶対的エース・藤井(日本生命)が抜けた今季、戦いぶりに注目が集まったが、終わってみたら同志社の強さが光った1年だった。
春は前年から主力投手の一角だった平川(4年、上宮太子大阪ガス入社予定)が7勝を挙げる大活躍。打線はベスト10に一人も入らなかったが生島(4年、大阪桐蔭)らを軸とした打線が勝負強さを発揮し、見事3連覇を達成。秋は開幕から6連勝と突っ走り、最終週を残した時点で8勝1敗。優勝がかかった立命館戦は1勝2敗で勝点を落とし、優勝決定戦までもつれこんだものの、平川が7安打完封で見事4連覇を果たした。
ただ、リーグ戦では圧倒的な強さを見せたがそれ以外での戦いぶりは不満が残る。選手権では九州共立大の大瀬良に2安打完封負けを許し、6度目の選手権出場で初めての初戦敗退。神宮大会出場を賭けた関西選手権でも初戦で佛教大(京滋大学野球連盟)に敗れ敗者復活戦に回ると、初戦の奈良産業大(近畿学生野球連盟)は大勝したものの、続く神戸学院大戦(関西六大学野球連盟)は5投手をつぎ込んだものの完敗となった。
さて、平川、司令塔・小林(4年、広陵日本生命入社予定)が抜ける来年は果たして。篠川(1年、明豊)、國正(2年、茅ヶ崎北陵)、中谷(2年、大阪桐蔭)ら、今年活躍した1、2年生がどれだけやれるかがカギになりそう。また、小林の後の捕手もポイントになりそうだ。


関西学院大学-Kwansei Gakuin UNIV(関西学生野球連盟)
今年度主要実績
平成23年関西学生野球春季リーグ戦4位
平成23年関西学生野球秋季リーグ戦3位
前年の実績からさらなる上積みが期待された関学だったが、少々不満の残るものとなった。
春は主砲・萩原(はぎはら。3年、大阪桐蔭)、籾山(2年、報徳学園)が3割を打つ活躍も見せたものの、ボイラン(3年、履正社)が4敗したのが響いて4位。試合内容は悪くなかっただけに悔やまれる。
しかし、秋は蒔野(3年、名古屋)、飛嶋(4年、関西学院三菱重工神戸入社予定)の2人が防御率2点台と安定。さらに打線でも谷(3年、大産大付)が新連盟新記録の1試合6安打、1試合タイ記録の7打点、リーグ新記録の10打数連続安打をマークする活躍で、3位に浮上した。
このところ惜しいところまで行っているだけに、そろそろ壁を突破できるか。


近畿大学-Kinki UNIV-(関西学生野球連盟)
今年度主要実績
平成23年関西学生野球春季リーグ戦2位
平成23年関西学生野球秋季リーグ戦4位
大学屈指の左腕、中後(4年、近大新宮千葉ロッテ2位指名)を擁し、日本一を目指した近大だったが、目立ったのは中後ただ一人といった感が目立った。
春はその中後が防御率0.74で防御率1位となり、ベストナインを獲得。しかし、同志社戦の連敗と立命館戦で1敗を喫したのが響き、同志社と勝点4ながら勝率の差で及ばず。
打率リーグ2位の野瀬(4年、北陽ニチダイ入社予定)やベストナインの池田(4年、富山商。ヤマハ入社予定)ら、戦力豊富な野手陣が援護しきれなかったのが響き、雪辱を期した秋も、2カード目の同志社戦で2試合連続で大敗。立命館戦も2試合連続完封負けを喫するなど、最後まで打線が援護できず、4位。悔しい1年となった。
来年は主力がごっそり抜けるだけに果たしてどうなるか。


関西大学-Kwansai UNIV-(関西学生野球連盟)
今年度主要実績
平成23年関西学生野球春季リーグ戦5位
平成23年関西学生野球秋季リーグ戦5位
復帰2シーズン目となった今年、昨春あと一歩のところで逃した優勝を勝ち取るべく望んだシーズンだったが、結果は不本意なものとなった。
春は秋本(4年、北陽)、寺本(4年、橋本)が健闘し、優勝した同志社から勝点を挙げたものの、勝ち切れない試合が続いて5位。秋は伝統の関関戦(関西学院戦)を制したものの、その後の勝ち星は京都大から2連勝したのみと勝ち星に恵まれず、近畿大と同率ながら、直接対決で敗れたのが響いて5位に終わった。
来季は春秋ともベスト10入りを果たした奥村(3年、大阪桐蔭)、今秋1年ながら3勝をあげ防御率4位に入った山本(北嵯峨)らの活躍に期待がかかる。95年春に岡本(元近鉄など)で優勝して以来覇権から遠ざかっているだけに、そろそろ復活の雄叫びを上げたいところだ。