第84回選抜高等学校野球大会出場校選考委員会展望

今年も懲りずに(?)やります。
21世紀枠(出場枠…3)
北 海 道…女満別(北海道大会2回戦)
東   北…石巻工(宮城)(東北大会2回戦)
関東・東京…高崎(群馬)(関東大会ベスト4)
東   海…大垣西(岐阜)(岐阜県大会4位)
北 信 越…金沢西(石川)(北信越大会ベスト8)
近   畿…洲本(兵庫)(兵庫県大会4位)
中   国…広島観音(広島)(中国大会1回戦)
四   国…小松(愛媛)(四国大会ベスト8)
九   州…宮崎西(宮崎)(九州大会ベスト8)
候補9校のうち、高崎は関東大会でベスト4に入っている事をどう評価されるか。関東地区の一般枠4校は決定なので、当確ライン(関東ベスト4)に入っている高崎の処遇が気になるところ。震災で大きな被害を受けながら東北大会に出場した石巻工は有力とみていい。広島商との統合時代に出場歴(1952年春)がある広島観音、九州大会ベスト8入りの宮崎西、第25回大会(1953年)で優勝歴のある洲本当たりも虎視眈々と選出を狙う。


北海道(出場枠…1)
準々決勝
北海4-2北海道栄
北照6-2旭川
札幌新川3-2富良野
札幌一6-1武修館


準決勝
北照9-1北海(7回コールド)
札幌一8-1札幌新川


決勝
北照4-3札幌一


余程のことのない限り、北照で決まり。札幌一はこれで秋の全道準優勝は4回目。またしても補欠校に泣くことになりそう。


東北(出場枠…2+神宮枠1)
準々決勝
光星学院(青森)10-0酒田南(山形)(5回コールド)
花巻東(岩手)2-1学法福島(福島)
聖光学院(福島)6-0東海大山形(山形)
青森山田(青森)6-2古川学園(宮城)


準決勝
光星学院9-8花巻東
聖光学院6-2青森山田


決勝
光星学院3-1聖光学院


光星学院神宮大会で優勝したことにより、出場枠が1校増えた東北地区。本来なら残り1校を花巻東青森山田の2校が争うはずだったが、青森山田の推薦辞退により花巻東が有力か。また、これにより補欠校はベスト8敗退校から選出されるのが濃厚だが、花巻東に善戦した学法福島が有力と見る。


関東(出場枠…4.5)
準々決勝
健大高崎(群馬)7-0千葉英和(千葉)(7回コールド)
浦和学院(埼玉)10-1甲府工(山梨)(7回コールド)
作新学院(栃木)6-2横浜(神奈川)
高崎(群馬)4-2東海大甲府(山梨)


準決勝
浦和学院11-7健大高崎
作新学院6-3高崎


決勝
浦和学院5-0作新学院


ベスト4の4校は確実。5校目を試合内容から横浜と東海大甲府が争うが、横浜は点差に疑問符がつき、東海大甲府は開催県1位のアドバンテージ(1回戦シード)を活かせず初戦敗退。これがどう評価されるか。東京準優勝の帝京と比較しても、ややインパクトに欠ける印象。高崎が21世紀枠で選出されれば8強組にもチャンスはあるが…。関東・東京6番目の枠は厳しい情勢か。


東京(出場枠…1.5)
準々決勝
東亜学園7-0郁文館(8回コールド)
関東一7-5日大豊山
帝京8-0日大鶴ヶ丘(7回コールド)
駿台学園3-2府中東


準決勝
関東一13-0東亜学園(7回コールド)
帝京6-1駿台学園


決勝
関東一2-0帝京


日大三国士舘がブロック戦で敗退し、早稲田実東海大菅生創価国学院久我山など有力校が早々と姿を消す波乱の展開となった大会を制した関東一は確実。準優勝の帝京も試合内容から見て関東・東京6番目の椅子に入るのはほぼ確実とみる。


東海(出場枠…2)
準々決勝
三重(三重)4-2大垣商(岐阜)
市岐阜商(岐阜)9-5東邦(愛知)
至学館(愛知)4-3静岡商(静岡)
愛工大名電(愛知)4-1菰野(三重)


準決勝
三重5-0市岐阜商
愛工大名電4-1至学館


決勝
愛工大名電4-3三重


決勝進出の2校は試合内容、地域性とも問題なく、出場は確実。昨夏甲子園初出場の至学館は名電に敗れているのが地域性でマイナスポイント(ちなみに、愛知県大会準決勝でも対戦し、名電6-0至学館)。


北信越(出場枠…2)
準々決勝
敦賀気比(福井)11-4新潟県央工(新潟)
福井工大福井(福井)6-1金沢学院東(石川)
松商学園(長野)3-0金沢(石川)
地球環境(長野)10-0金沢西(石川)(5回コールド)


準決勝
敦賀気比5-0福井工大福井
地球環境4-0松商学園


決勝
敦賀気比1-0地球環境


ここも余程の事が無い限り、敦賀気比、地球環境の2校で決まり。準決勝2試合は何れも完封試合となったが、一番点差が少ない松商が補欠1位か?参考までに、長野県大会の順位は地球環境が2位、松商が4位、福井県大会の順位は気比が1位、工大福井3位である。


近畿(出場枠…6)
準々決勝
履正社(大阪)15-3水口(滋賀)(6回コールド)
智弁学園(奈良)8-4鳥羽(京都)
天理(奈良)8-4大阪桐蔭(大阪)
近江(滋賀)2-1奈良大付(奈良)


準決勝
智弁学園4-2履正社
天理11-1近江(6回コールド)


決勝
智弁学園4-3天理


ベスト4の4校は確実だが、残り2枠の予想が難しい。準々決勝の試合内容から順当に考えれば鳥羽と大阪桐蔭だが、この大会では甲子園のお膝元・兵庫勢(報徳学園関西学院、育英)が1回戦で全滅。これを選考委員がどう見るか。兵庫勢の中で一番内容がいいのは育英(近江7-5育英)だが…。もし、兵庫勢が出場を逃すということになれば、1982年(昭和57年)の第54回大会以来のこととなる。過去には2002年の秋季近畿大会で大阪勢3校(近大付、東海大仰星大阪産大付)が初戦敗退したものの、逆転で近大付が選出されている事例もあるが果たして。また、初出場を狙う奈良大付だが、智弁、天理の奈良勢2校が決勝進出している事が「同一府県から原則的に3校同時出場させない」内規に引っかかるため、選出は厳しい。


中国(出場枠…2.5)
準々決勝
倉敷商(岡山)4-1浜田(島根)
早鞆(山口)3-1南陽工(山口)
鳥取城北(鳥取)2-1岩国工(山口)
大社(島根)9-1尾道(広島)(7回コールド)


準決勝
倉敷商6-3早鞆
鳥取城北7-0大社(7回コールド)


決勝
鳥取城北4-1倉敷商


決勝進出の2校は確実。3校目は仙台育英のエースとして89年夏の準優勝投手に輝いた大越基氏(元福岡ダイエー)が率いる早鞆が有力。


四国(出場枠…2.5)
準々決勝
明徳義塾(高知)4-3宇和島東(愛媛)
高知(高知)6-0小松(愛媛)
高松商(香川)1-0鳴門工(徳島)
鳴門(徳島)16-2今治西(愛媛)(5回コールド)


準決勝
高知7-4明徳義塾
鳴門7-1高松商


決勝
鳴門5-4高知


決勝進出の2校は確実だが、3校目の枠がどうなるか。明徳は優勝した高知に敗れているのがマイナスポイント、高松商は地域性で有利だが試合内容に疑問符が付く。中国3校目の早鞆と比較しても不利なのは否めない。四国枠は2で決まりか。


九州(出場枠…4)
準々決勝
九州学院(熊本)2-0宮崎西(宮崎)
創成館(長崎)2-0情報科学(大分)
神村学園(鹿児島)7-6大分(大分)
別府青山(大分)3-2福岡工大城東(福岡)


準決勝
九州学院(熊本)9-0創成館(7回コールド)
神村学園6-2別府青山


決勝
神村学園8-1九州学院


例年通りならベスト4の4校で決まりなのだが、創成館九州学院にコールド負けしているのが気になる。過去にも2000年の城北(熊本)、2002年の長崎南山、2003年の佐賀東と、ベスト4に入りながらコールド負けしている事を問われて落選している事例が発生している事を考えると、逆転は充分あるものと考えた方がいい。そうなると福岡枠発動で好投手・笠原を擁する福岡工大城東が有力か?情報科学、大分の大分勢2校は、同じ大分の別府青山が4強入りしているので地域性で苦しい。宮崎西は21世紀枠での選出に可能性がある。


選考委員会は27日、毎日新聞大阪本社で行われる。