都市対抗二次予選地区再編の話〜西関東編〜

先日、都市対抗野球の近畿地方の予選が再編されたことを書いたが、関東地区でも地区割りの変更があった。それは南関東二次予選と神奈川県二次予選の再編である。
これまで南関東二次予選は埼玉県、千葉県、山梨県の3県の代表によって代表権を争ってきた。それが今年から千葉と埼玉の2県に再編され、山梨県勢はこれまで単独で代表争いをしていた神奈川県勢と代表権を西関東二次予選で争うことになったのである。
実はこの神奈川県こそ、自分が今後の都市対抗での活躍を不安視している地域の一つなのである。横浜市JX-ENEOS(日本石油新日本石油)の9回を筆頭に、これまで24回の優勝を数え、「王国」とまで評されることの多い神奈川県勢だが、2002年からの10年間で、いすゞ自動車三菱ふそう川崎、日産自動車と優勝経験のある強豪が次々と休部。現在活動している企業チームはENEOS川崎市東芝横浜市三菱重工横浜の3チームのみに減少してしまっている。また、昨年の大会から前年優勝チームの推薦出場制度が復活し、昨年は前年優勝の東芝ENEOS、三菱横浜の企業3チームが一斉出場したが、これにより、3チームとも補強選手は無し。そのため、ENEOSと三菱横浜は初戦で姿を消し(三菱横浜は仙台市JR東日本東北の森内壽春(現北海道日本ハム)に完全試合を喰らった)、東芝も2回戦で敗退という結果に終わっている。そうなると、今回の出場枠見直しも仕方がないと言える。
しかし、一方でこの再編は疑問でもある。というのも、山梨県勢はまだ一度も本大会への出場歴が無く、また、企業登録しているチームもない。埼玉県勢、千葉県勢の壁の前に跳ね返されてきているのに、それ以上にレベルの高い神奈川県勢と果たして対等な勝負が出来るのかどうか。これでは神奈川代表決定戦と変わらない、というのが感想である。
日本野球連盟は今回の地区の割り振りを3年間行い、2年目終了後に見直し協議、3年目に新しい地区割りを発表し、4年目から新しい地区割りでの二次予選を行う、としている。その際、関東地区はどのように再編されるのか。かつて神奈川県は横浜市川崎市に単独代表権が与えられ、その他の市町村は南関東二次予選で戦っていた経緯がある。3年後、かつてのような形になるのか、それとも今年からの堅いが維持されるのか。大いに注目されるところである。